『監察医朝顔(漫画)』5巻のネタバレ・感想・あらすじについて、まとめてみました!
『監察医朝顔』5巻は、2008年10月29日に発売されました。
『監察医朝顔』は、監察医である朝顔先生が、様々な遺体を検案、解剖し、その人の最後の声を聴こうと奮闘する物語です。
5巻では、新たなキャラが登場したり、体温の下がらない遺体、謎のメモを持っていた身元不明の遺体などが扱われたりします。朝顔がどのようにして、謎を解決していくのか、みどころ満載ですね。
詳細を、さっそく見ていきましょう!
監察医朝顔(漫画)5巻のネタバレ!
5巻は第41話から第50話まで掲載されています。
大体2話で1ケースが終わっているので、2話ずつ見ていきたいと思います!
第41話 一酸化炭素中毒・第42話 課題の返答
レギュラーメンバー、学生安岡光子初登場の回です。
光子は、医学部の4年生で、朝顔に解剖を見学させてほしいと法医学教室にやってきます。
朝顔は、解剖に興味があるのかと聞きますが、私が、興味があるのは朝顔先生ですという光子。
朝顔は解剖希望の学生の願いを断らない方針なので、解剖見学を許可します。
そのとき、ちょうど解剖依頼が来ました。
部屋にサンマを焼くのに使った七輪を置いていたため、一酸化炭素中毒で亡くなったらしい男性の遺体です。
不思議なのは、被害者はその部屋の二段ベッドの上で寝ていて、下では同居の男性も寝ていたのに彼は死んでいないこと、あと飼っていた猫も死んでいないことです。
その不思議を解剖前に刑事たちは話しますが、解剖立ち合いのため待っていた光子は、それは当然だと言います。
一酸化炭素は上に上がる傾向があって、部屋の上のほうにたまるし、猫は一酸化炭素に強いのです。
解剖結果は、やはり一酸化炭素中毒で、同居人らが平気だった理由は光子の言ったとおりでした。
頭のいい女性のようです。
しかし、解剖後、光子は被害者に対し、バカだったとののしるようなことを言い、朝顔の学生高橋は怒ります。
また、朝顔も光子の言いぐさは気に入りません。
朝顔は先生として、光子に、なぜ朝顔が解剖見学希望の学生を拒まないのかを考えて、その答えをまとめてきなさいと課題を出します。
家で、朝顔は万平に光子のことや、そのとき高橋が言ったことなどを話します。
高橋は今、解剖したのは死体ではなく、人間だみたいなことを言って光子を叱ったのです。
万平は、被害者についてこんなグラビアアイドルのポスターが部屋に貼ってあったなど彼の人となりを話します。
23年という短い人生でしたが、被害者には人生があったのです。
次の日、朝顔は、一人暇している(光子は友達がいないのです、本人談)光子を誘って河原でサンマを七輪で焼きます。
光子はサンマがおいしいと言い、素直なところもあるもよう。
もしかしたら、光子は自分の融通の利かないところを叱ってほしくて朝顔の教室に来たのかもしれません。
次の日、光子は朝顔のところへ課題の返答をもってきます。
返答はわかりませんとのこと。
わからないから、これからも法医学教室に出入りしていいかと聞く光子を朝顔は歓迎するのでした。
第43話 刑事訴訟法・第44話 法医学者と検事
売春婦の死体が発見され、朝顔は解剖をしました。
死因は絞殺で、死後3日くらいたっていると思われます。
しかし、伊東検視官が現場で計った直腸温度は26度でそれだと、死後1日程度のときの体温です。
ずれが生じ、朝顔も困惑します。
体内には精液も残っており、それもあって容疑者はすぐ捕まりました。
石田という女性検事が事件を担当します。
石田は朝顔を検察庁に呼び、いつ被害者が死んだのかが特定されないと起訴できない、勾留には期限がある(逮捕勾留してからその人を裁判に付すのか否かを期間内に決めなきゃいけない)ので、早く謎を解けと言ってきます。
なかなか気の強そうな女性で、朝顔についてもちょっと当たりが強いです。
朝顔はその後いろいろ考えました。
容疑者は性犯罪を繰り返す男で、自分で自分はすけべだなどと言っています。
また、覚せい剤常用者でもあります。
朝顔はあることを思いつきました。
そして、そのことを石田検事に伝えに行きます。
もしかしたら、犯人は女性が亡くなった後も、彼女を抱いていたのかもしれないと。
容疑者は性的倒錯者だし、覚せい剤を使えば、それも可能かもしれないのです。
検事は、その考えを容疑者にぶつけ、自供をとりました。
その後、朝顔には検事から、スノードロップの鉢植えが送られます。
その花言葉は「まさかの時の友」。
え!? 私たち友達なの?
と、石田検事のツンデレぶりに驚く朝顔。
でも、法医学者と検事、どちらも真実を見つけようとするお仕事なので、友達と言えるかもしれません。
第45話 朝顔の休日・第46話 走馬灯
休日に古物品を扱うお店を訪れた朝顔。
だけど、肝心のお店はお休みですぐにエレベーターに。
そこで、一人の男性と乗り合わせます。
その途中、エレベータが止まってしまい、朝顔は男性と世間話をしてエレベーター業者の到着を待ちます。
彼は兄と骨董品屋を開く予定で、その仕入れに朝顔が行こうと思っていた店に来ていたのです。
ふと彼は昔のことを今思い出したといいます。
そして、しばらくしてまた、子どもの時のことを思い出します。
まるで走馬灯みたいとつぶやく朝顔。
でも、一つおかしな記憶がありました。
幼なじみの女性と高校卒業後キスをした記憶がばっと浮かんできたのですが、彼は彼女とキスをしたことがないというのです。
そんな話をしていると。彼が急に苦しみだします。
体全体を痛みが襲ったのです。
そのときエレベータが空いて、修理の人が来たので朝顔がその人に車で病院までと頼みます。
でも、彼は急にケロっとしてもう平気と言います。
朝顔も彼の脈拍が正常だったことから、病気ではないかなと思います。
でも一応、病院にという話をし、エレベーター業者の人も車を回してくれました。
そのとき、彼の母から兄が死んだとの電話がきます。
さっき、交通事故にあったようです。
朝顔と男性は業者の車で病院に向かいました。
兄というのは双子の兄です。
あの走馬灯は自分のではなく兄のだったと男性は話します。
自分も幼なじみの女の子が好きだったけど、彼女は兄と付き合っていたのかと思う男性。
また、あの痛みも兄に痛みを自分も感じたのだと思っているようです。
朝顔も双子の不思議現象にびっくりします。
その後、病院で、男性は兄の遺体に対面しました。
男性らの母も来ていて、彼女によると兄は仕入れてきたばかりの商品をかばったため死んでしまったそうです。
兄が仕入れた皿を何気なく見る男性。
それは、男性が選んで買ってきた皿とまったく同じものだったのです。
兄と自分がいかに通じるものがあったかを思い知らされた男性は、双子って不思議でしょと泣き、朝顔たちも兄を悼みました。
第47話 死体現象の謎・第48話 低体温症
更地の宅地でまるで寝ているように亡くなっている男性が発見され、朝顔が解剖を担当します。
死因は低体温症。
夜は冷えますし、昨日は雨も降っていたので、濡れてますます冷えて亡くなってしまったようです。
でも被害者がなんで靴を宅地に入ったところら辺で脱いで、宅地に入り込んで眠るように亡くなっていたのか、わかりません。
また、現場で親父さんは間違っているって男が言っているのを聞いた人もいました。
朝顔らの解剖の結果からすると事故のようですが、夜に親父さんという人と被害者が現場で言い争いをしてそのあと亡くなった可能性もあります。
親父さんについて調べる刑事たち。
被害者の身元、親父さんが誰かがわかります。
被害者は鍵屋で働いていて、そこの店主を親父さんと呼び、師弟関係みたいな間柄だったそうです。
鍵屋は刑事と縁の深い職業です。
桑原刑事のいる署が、親父さんと付き合いがあるみたいなので、桑原さんも呼ばれます。
親父さんによると、その日も、一緒に飲んでたけど、店を出てからは別々で現場には行っていないそうです。
飲みの席でも鍵とかについて話して、別にトラブルもなかったと言いますし、桑原によると親父さんは信頼できる人のようです。
朝顔は万平と梶間刑事と被害者が倒れていた宅地にいきました。
靴が置いてあった場所から宅地の端までの距離や、被害者が亡くなっていた場所と端からの距離などを測る朝顔。
その後、朝顔は被害者の住んでいたアパートの部屋を見たいと言いだします。
でも、被害者は鍵をたくさん持っていて、部屋にも鍵をたくさんつけていたので、まだ部屋に警察も入れていなかったのです。
万平は、親父さんを呼んで鍵を開けてもらうことにしました。
そして、部屋に入ると万平と朝顔はあることに気が付きます。
梶間刑事は?でしたが、部屋の寸法を測って気が付きました。
その部屋の靴が置かれている玄関とベッドの位置との距離は宅地で、被害者の靴が置いてあった位置と被害者が寝っ転がっていた位置との距離が一致していたのです。
被害者は低体温が招く幻覚で、何も建っていない、ただの地面だったあの場所を自分の部屋だと思って、靴を脱ぎ、宅地の奥の方に行き、ベッドに転がったつもりで、そこで寝てしまい、死んでしまったのでした。
では、親父は間違っているって叫んでたのは何だったのでしょう。
被害者は鍵の勉強のため、自分の部屋にいろいろなカギを取り付けていました。
親父さんは、最近出た鍵をカタログでみていい鍵だと思っていたのですが、被害者はそれに反発していたのです。
その鍵が、被害者の部屋に取り付けられていました。
親父さんはさっき、被害者の部屋の鍵をあけたとき、その鍵が鍵屋からすると壊れやすいものだと気が付きました。
被害者も幻覚の中で、その鍵を開錠し、「この鍵はやっぱりだめだ!親父さんは間違っている!」と叫んだのでしょう。
親父さんは、被害者が鍵屋として頑張っていたことを改めて思い返し、涙を流しました。
第49話 謎のメモ・第50話 亡き母に捧ぐ祈り
女性の遺体から謎のメモが発見されました。
死因等から事件性はないようですが、身元がわかりません。
また、彼女は不思議な絵の描かれたメモを持っていて、それが刑事らを悩ませます。
大学でそんな話を万平らがしているところに朝顔も居合わせます。
その絵は、男性器の落書きのように見えます。
それがなんなのか、朝顔も考えてくれと朝顔は万平に頼まれました。
解剖でお昼がまだだった朝顔は、伊東検視官を誘って、学食で食事をすることにしました。
伊東さんは、もう昼飯を食べていたのですが、愛しの朝顔からの誘いなので、早い夕食(午後3時です。早いっ)ってことで朝顔と食事をします。
せっかくの食事ですが、茶子先生も現れて、3人での食事になり、先ほどのメモのことや朝顔が今日から2日間神戸に行くことや、幽霊の話などをしました。
その後、法医学教室に戻ると、光子が来ています。
朝顔はいつぞやの課題の答えはわかったかと聞きますが、光子はまだだといい、逆に朝顔に課題を出します。
幽霊はいない、それはなぜかというものです。
光子も先ほど学食にいて、朝顔たちの会話を聞いていたのです。
その後、朝顔と万平は神戸に飛びます。
朝顔の母は神戸の震災で亡くなっています。
なので、朝顔らは毎年、ルミナリエ(神戸の復興イルミネーションイベント)の頃、神戸に行っているのです。
ルミナリエを堪能し、神戸の復興に感動した2人は、その後中華街の中華料理屋で食事をとります。
その店には「徳」という書が飾られており、その漢字の中にあのメモと同じ絵がありました。
そう、絵に見えたあれは中国の古い漢字で「心」という字だったのです。
被害者は中国人かもしれないので、その線で身元を探ることにした万平。
次の日、朝顔たちは神戸に住む母の友人、あのとき、母が訪ねた相手と合流します。
朝顔たちが神戸に来たときはよく会っている相手のようです。
おばちゃんは、あの時私が死ねばよかったなどと言い、そんなこと言うならもう神戸に来てもおばちゃんと会わないよと朝顔らは怒ります。
神戸は母の亡くなった悲しい場所ですが、朝顔が天職を見つけた場所でもあるのです。
3人で神戸の復興などを思い、散歩をしていると朝顔はもう一つの課題の答えを思いつきます。
神戸の震災では多くの人が亡くなったし、戦争でもそう、たくさんの人が無念のうち、亡くなりました。
もし、幽霊というものがいるならば、ここや日本中にたくさん幽霊が現れないとおかしいけど、ここには幽霊はいない、だから幽霊は存在しないのです。
でも、と朝顔は続けます。
お母さんは私の心に今もいると。
おばちゃん、万平もそれに同意します。
その後、おばちゃんが持たしてくれたたくさんのお土産を持って、朝顔らは帰路につきました。
法医学教室では、茶子先生が神戸のお菓子を食べながら、神戸牛は買ってこなかったんかいとブツブツ言っています。
朝顔は光子に幽霊がいないことの証明を話し、光子に正解をもらいました。
監察医朝顔(漫画)5巻の感想
5巻は、死因のことだけでなく、双子の不思議な話や、謎のメモの話などもあり、おもしろかったです。
また、朝顔たちが毎年神戸に行っていることなどもわかりました。
私も兵庫県出身であの地震を体験したので、神戸の話はとても感慨深いです。
ルミナリエも行ったりしてました。
朝顔は母を震災で亡くし、今でも地震が怖かったりといろいろ抱えていますが、いつも明るく仕事をしていてすごいなと思います。
母のことも最初は悲しみしかなかっただろうけど、今は母との楽しいこととかを思い出せるようになっているんじゃないかなと思います。
朝顔は自分の身近な人の死を体験しているから遺族の気持ちがよくわかるんだろうなあと改めて思いました。
神戸の話は、それ以外の面でも面白い話でした。
私は、漫画とか映画の中の食事シーンがけっこう好きなのですが、この回も伊東さんたちと学食での食事シーンとかあっておもしろかったです。
朝顔たちが食べていた固焼きそば、ミカン付きはとてもおいしそうでした。
また、光子、高橋、茶子先生と朝顔の仲間が勢ぞろいしてました。
茶子先生はちょっとしか出てないけど、それでも作品にユーモアを加えてくれるからすごいです。
悲しかったり切なかったりする話の多い「監察医朝顔」の中で、彼女の存在がいいエッセンスになっています。
他の話でも、幻覚で、外で寝ちゃって亡くなった方の話は、親父さんとの絆が見えて悲しかったし、死後体温の謎は気持ちの悪い答えで読みごたえがありました。
事件ものですから、検事も登場しないといけませんね。
刑事事件にするためには、謎が残っていると困るから、ほんと大変な職業ですよね。
石田検事は何とも怖そうな女性でしたが、この後の巻にも何度か登場します。
一言に人の死といっても、そこからいろんなバリエーションの話が展開するのだなと思いました。
死はほんと奥深いものです。
監察医朝顔(漫画)5巻の感想
死者と向かいあう仕事。それは人間の全体、その人生に対峙することである。消し忘れた七輪が原因で一酸化炭素中毒に陥り、亡くなった黒江恭平の遺体が興雲大学に運ばれてきた。奇妙なのは同じ部屋で寝ていたもう一人の男・藤山と、黒江の飼っていた猫が助かったことだ。一方、その頃、朝顔の元を法医学に興味はないものの、司法解剖を見学させてほしいという学生・安岡光子が訪ねていた。司法解剖をめぐって人間の尊厳を描いた「課題の返答」、美人検事・石田希子(いしだきこ)との出会いを描いた「刑事訴訟法」など10編を収録。
(引用:Amazon)
まとめ
いかがでしたか。
5巻では新たなキャラとして、安岡光子ちゃんが登場しましたね。
朝顔はいい先生なので(高橋談)、彼女も慕ってくれるでしょう。
また朝顔の原点である神戸の話も載っていて、中の人のプライベートが垣間見れる場面が多かったように思います。
次巻では、朝顔たちのどんな面が見られるのか、またどんな事件が扱われるのか、楽しみです。