『監察医朝顔(漫画)』13巻のネタバレ・感想・あらすじについて、まとめてみました!
『監察医朝顔』は2006年から2013年にかけて連載され、6巻からは電子書籍で発表された漫画です。
監察医である朝顔先生が、様々な遺体を検案、解剖し、その人の最後の声を聴こうと奮闘する物語で、13巻では両親の留守中に亡くなった子どもの話や、ミイラ化した河童の手が見つかったなどというオカルトチックな話も載っています。
子どもを亡くした親に朝顔たちがどんな言葉をかけるのか、河童の手は本物か、とても気になりますね。
詳細を、さっそく見ていきましょう!
監察医朝顔(漫画)13巻のネタバレ
13巻は第121話から第130話まで掲載されています。
2話で1ケースが終わっているので、2話ずつ見ていきたいと思います!
第121話 留守番 第122話 梅雨空の彼方に
朝顔と万平は桑原さんのマンションに君子さんにお線香をあげに来ました。
万平は、梶間刑事から預かってきた写真(12巻、最終話)を桑原に渡します。
朝顔はいろいろ料理を作って持ってきていて、今日もそれをつまみながら飲もうということになります。
しかし、朝顔は解剖に呼ばれたため、出かけなければなりません。
桑原は大学まで朝顔を送ることにし、もうすでにビールを開けていた万平は桑原宅に残ります。
大学につくと、刑事たちが駐車場まで迎えに来ていて、今回担当してもらうのは小学5年生の男の子の遺体ですと説明してくれます。
両親が、夫の上司に呼ばれて、夫婦で旅行に行っており、帰ってきたら死んでいたというのです。
そこへご両親のうち、母親のほうが、旦那がいなくなってしまった、彼は息子が死んだのは自分のせいだと思っているから心配だと慌ててやってきます。
それを聞き、刑事たち、朝顔、桑原も父親を捜すことにします。
実は、その夫婦が旅行に出かける前、息子は腹が痛いと言っていて、母親は私だけでも残りたいと言ったのですが、父親が「上司に忠誠心を試されているんだぞ。」と難色を示し、息子が「大丈夫だよ、薬も飲んだから。」と言ったので、「よし、頑張って受験勉強しとけよ。」と言い、旅行に出かけたという経緯があったのです。
朝顔と桑原は、大学の近くの林で父親を見つけました。
父親は首をくくろうとしていて、それを桑原が止めます。
父親は死なせてくれと叫び、自分のせいで家族が死んだと思っている人の気持ちがわかる桑原は、「俺も自分のせいで妻が殺された。でも俺が死んでわびることをあいつが望んでいるかというとそうではない。お前の息子はお前に死んでほしいと思っていると思うのか。」と父親に問いかけます。
父親は、あの子はすごくいい子で優しい子だからそんなこと望むはずないと言い、朝顔も涙が止められませんでした。
その後、解剖が行われ、その結果、息子の死因は、盲腸による穿孔、そのための腹膜炎でした。
盲腸になったときすぐに処置すれば問題ありませんが、放っておいたため腸に穴が起き、死んでしまったのです。
両親が旅行に行かずに、病院に連れて行けば助かった可能性が高い事案でした。
朝顔が解剖、説明を終えて、外に出ると桑原が待っていてくれました。
二人で、車で帰る途中、あの両親を見かけますが、朝顔にはかける言葉が見つかりません。
いえ、彼らにだけでなく、桑原さんにもかける言葉が見つかりません。
桑原の家に帰ると、万平が酔っ払って寝ており、朝顔は彼を起こし、家路につきます。
マンション先まで送ってくれた桑原によると、まだ事件に進展はないようです。
おてんとうさまは知っているんだろうが、人間には限界があるからと、君子さんの事件に思いを馳せる万平らなのでした。
第123話 河童の手 第124話 闇の右手
ゴミ捨て場から、ミイラ化した「手」が見つかりました。
「手」と一緒に河童と書かれた小さな木の箱も見つかり、河童の手として誰かが持っていたもののようです。
朝顔たちのところに、何か調べてほしいと「手」が来ます。
その「手」は人間の手ではなさそうです。
動物学者に聞くことにし、朝顔たちは夜になっても大学で連絡を待っていました。
一方、万平が家に一人でいると、朝顔から生徒が来るから待たせといてとの連絡があり、直後、一人の若い女性が万平宅にやってきます。
万平は彼女を家に入れます。
その後、朝顔から電話があり、生徒が来る予定なんてないし、そんな電話していないと言います。
訝しむ万平。
生徒は右手に手袋をしています。
見つかった「手」も右手です。
万平はもしかしたらと思います。
生徒はあるカワウソが昔、手を切られ、その手は河童の手として寺に法要されたという話をします。
万平はその手袋取ってみてくれというと、生徒はほんとに取ってもいいのですかと聞きます。
そのころ、朝顔たちのもとには動物学者の元から戻ってきた梶間が「手」は二ホンカワウソのものでしたと報告します。
さて、「手」をどうしようかという話になる朝顔たち。
誰かがコレクションとして持っていたのか、どこかに法要されていたのかはわかりませんが捨てられていたものです。
このまま捨ててしまおうか、でもそんなこと朝顔にはできません。
朝顔たちは「手」を土に埋め、供養することにします。
万平宅で、生徒が手袋を取ると、そこに右手がありました。
生徒は今、あなたの娘さんが「手」の供養をしてくれたようですと言って、帰っていきます。
その後、朝顔が家に帰ると、万平はテーブルに突っ伏して寝ていました。
さっきの女性はかわうその幽霊だったのか、はたまた万平の夢か、どちらかはわかりませんが、どちらにせよ、不思議な体験だったと思う万平なのでした。
第115話 急性アルコール中毒 第116話 先輩と後輩
とある学生が急性アルコール中毒で死亡しました。
彼と一緒に酒を飲んでいた学生は一緒に法医学教室に来ています。
学生が女に振られたので、被害者と慰め飲み会をしていて、気が付くと被害者が倒れたというのです。
事件ではなく事故のようです。
無理に飲ませたとかでもなさそうだと学生は帰されます。
梶間刑事は彼が心配で途中まで送ることにします。
梶間は高校時代、野球部に所属しており、仲間とはいつも全力でした。
だから、学生たちが羽目を外して、今日は飲むぞーと飲んだ気持ちが理解できるのです。
朝顔は実はちょっと納得いっていません。
そういうことがあるってのはそうでしょうが、被害者はウイスキーをたくさん飲み、一緒に飲んでいた学生はビールだけでした。
それに二人は法学部の学生です。
急性アルコール中毒のことも、どうすれば罪にならず事故と処理されるかも、普通の学生よりわかっている気がします。
梶間は学生を慰めて、別れました。
その後、自分も被害者の葬式に行こうと思い立ち、梶間は学生を追いかけます。
すると、学生は自販機でビールを買っており、それをおいしそうに飲んでました。
梶間に見られているとわかると、あわてて彼はビールを捨てますが、もう遅いです。
急性アルコール中毒で友達が死んだのに、その直後に酒を飲むなんて、ほんとは無理やり飲ませたのではと思った梶間は本当のことを言えと激しく彼に迫ります。
そこにちょうど通りかかった、梶間の野球部の時の先輩。
梶間は先輩にお願いして、先輩と学生と居酒屋に行きます。
お前が誘っといて、ウーロン茶かよと先輩は言い、学生時代のときのように大量注文した料理を梶間に食べろと言ったり、歯向かったから腕立てをしろと言ったりします。
それを見ていた学生は笑い出し、そんな先輩後輩ごっこみたいなこと見せられても全然心を動かされないよと言います。
こんな捜査、不法行為でしょという学生に、やはり法律のことをよく知っているんだなと梶間。
「お前が振られた女っていうか、被害者にとられたんだよね、その罪悪感に付け込んでどんどん酒を飲ませたのではないのか?」という梶間ですが、そんなのただの想像だし、証拠がないからこんなことしているんでしょと言う学生。
それを聞いていた先輩は、「なんだ、こいつは悪いやつなのか、刑事であるお前が殴れないなら俺が殴ってやる。」と言い出し、手を振りかざします。
しかし、それを梶間は止めます。
梶間は刑事です。
暴力を目の前で許すわけがありません。
そこに万平から電話がかかってきます。
被害者の彼女が署に来て、被害者は学生に無理やり飲まされたのではないかと言っているそうです。
梶間は署に学生を連れていきました。
学生を見ると彼女は人殺しと彼にくってかかります。
彼女には被害者から、「無理やり飲まされている。」という内容のメールが届いていたのでした。
うなだれる学生。
梶間は、今度は非合法ではなく、ちゃんと話を聞くから話してくれるよねと学生に声をかけたのでした。
第117話 硫化水素 第118話 スマイル
伊東検視官は、硫化水素で自殺した人の検死を行います。
この頃、流行っているようです。
朝顔のところに持ち込まれた、この遺体。
解剖等が済んだあと、朝顔は茶子先生となんで自殺に流行りがあるのでしょうかという話をします。
そして、また硫化水素で自殺した遺体が運ばれてきました。
硫化水素は楽に死ねるという話が流れたこともあります。
しかし、そんなことはないと朝顔は言います。
顔がゆがんでいるし、体も緑色になってしまいます。
今回も硫化水素ということで換気等、注意がなされた中での解剖です。
解剖の結果、死因は硫化水素に間違いありませんでした。
遺書もあり、自殺でしょう。
しかし、被害者の奥さんが、主人は殺されたんですと言っています。
朝顔、万平が詳しい話を聞くと、会社に殺されたという意味らしいです。
被害者はハンバーガーショップの店長だったのですが、アルバイトが集まらなくても時給を上げられなかったり、仕事の時間が長かったり、もっとスマイルをと言われたり、追い詰められていたようです。
そんな話を聞いて、帰宅した万平と朝顔。
朝顔は、彼が硫化水素で自殺したのは、抗議の意味合いがあったのかもと言います。
硫化水素での自殺はニュースになりやすいのです。
朝顔は、次の日、被害者の奥さんと会うことにしました。
待ち合わせの喫茶店に行きます。
そして、奥さんに労災を申し立てたらどうかという話をします。
奥さんは旦那さんに叱責していたフロア担当者を恨んでいるようでしたが、彼も結局は労働者、本当の敵は彼ではないのです。
そして、労災について丁寧に説明した後、席を立つ朝顔。
奥さんはこの後も誰かと待ち合わせがあるようです。
朝顔が店を出ると茶子先生と出くわします。
茶子先生も労災の話をするため、奥さんを呼び出していたのでした。
万平は二人が同じことを考えていたという話を聞き、将来朝顔も茶子先生のようになるんじゃないかと朝顔をからかったのでした。
第119話 63年後の夏 第120話 白い服
真夏のある日、朝顔、茶子先生、光子は大学近くの中華料理屋で昼食をとっていました。
テレビでは、そんな時期だからか戦後63年の特別番組が流れています。
朝顔たちのほかに一人いた客であるおじいさんは、注文もせず、テレビに見入って番組が終わると店を出て行ってしまいます。
おじいさんは、大学の場所を通りすがりの人に聞くと、その前に洋裁店に行かなければと走り出します。
そのころ、大学ではエンバーミング処理を終えた香織さんが、ご遺族である娘さん、息子さんを母の元へ案内していました。
娘さんたちは父がまだ来ていないのかと迷子になったのではと心配しています。
亡くなられた年配の女性の旦那さんである父は、認知症を患っているため、心配なのです。
光子たちは、戦争の話をしながら大学構内を歩いていました。
すると、先ほど店で見かけたおじいさんが歩いているのを見かけます。
おじいさんは香織さんと娘さんが母と対面している部屋にやってきます。
おじいさんが、先ほど娘さんたちが探していた父のようです。
おじいさんは、まるで生きているようにきれいに化粧をしてもらった妻のご遺体を見て、なんだ、死んでないのかと言います。
これはきれいにしてもらっただけで死んでるのよという娘さん。
朝顔たちもその部屋の前を通りかかり何やらもめているのを見て、立ち止まります。
娘さんの言っていることなど聞こえてないかのようなおじいさんは、これを妻に着せなければと真っ白な上下の体操服を取り出します。
何バカなことを言ってるのという娘さん。
そこに息子さんもやってきます。
二人で止めますが、おじいさんは、「白はこれしかなかった、爆弾による被害を防ぐためには白の服を着せないと」と固執します。
どうやら戦時中とごっちゃになっているようです。
広島と長崎に特殊爆弾が落ちたのですというおじいさん。
もう戦争は終わったのよと娘さんが言うと、おじいさんは「じゃあ、もう爆弾は二度と落ちてこないと言えるのか。」とみんなに問いかけます。
それに答えられる人は一人もいませんでした。
おじいさんとは息子さんと香織さんがお話をしてくれるというので、朝顔と娘さんは中庭に出ます。
そこで、娘さんから父と母のなれそめを聞く朝顔。
二人は戦時中、疎開先で出会い、爆弾が落ちてきたとき白い服を着ていたら助かるとのうわさを聞きつけ、母が父に白い服を縫ってあげたのです。
その服は、母の古着をばらして作ったもので、父はそれに感謝に戦後もしばらく来ていたと言います。
本当に仲のいいご夫婦でそのためこんがらがってしまったのでしょう。
そこに息子が娘さんを呼びにきて、親父が正気を取り戻し、お母さんにお別れを言っていると告げます。
朝顔は、香織と茶を飲み、夫婦っていいなという話をします。
香織は三郎と自分とそろそろだと思うといい、朝顔はちょっと動揺してしまいます。
暑い、戦後63年のある夏の日のことでした。
監察医朝顔(漫画)13巻の感想
13巻もいろいろな話があって面白かったですね。
子どもが留守中に死んでしまったという話は、なんとも痛ましいものでした。
ちょっと、あのお父さんは…と思います。
私が妻なら許せませんね。
いや、自分も許せません。
旦那に言われても、絶対旅行にはいかないし、行くとしても病院に行ってからにします。
でもそれは結末を知っているから言えることで、ほんとにただの腹痛だと思ってのことだったのでしょう。
だから、悔やんでも悔やみきれないことだし、周りもなんて言ったらいいかわからないと思います。
そして、このケースでは、10巻で妻を亡くした桑原刑事も久々に登場しました。
万平たちが部屋を訪ねてきたときは、みんなで飲むのもいいですねとか言ってちょっとは立ち直ったかのように見えた彼ですが、子どもを亡くした父と話をしているのを聞くと、まだまだ後悔しているし、気分はどん底のようです。
そうですよね。
妻を殺した犬井について、少し進展があるならともかく何もなしですし、心が安らぐときなどないのかもしれません。
子どもを亡くした両親の件といい、桑原の件といい、とても切ない話でした。
そのほかにも、ちょっと異色のカワウソの幽霊が出てくる話があったりして、面白い巻でしたね。
カワウソの話は、ただのオカルト話というわけではなく、人間の浅ましさがよく表れている奥深い話だったと思います。
勝手にこれ河童の手に似てない?とかいって、カワウソの手を切って、それを崇めたてて、用が済んだらぽいってひどくないですか?
いやいや、せめて供養しようよって感じです。
まあ、昔の人があの手を見て、河童とか思ったのはわからなくはないなって感じでした。
私も都市伝説とか不思議な話は大好きですし、昔なんてネットとかもないから簡単に調べられないから、河童の手に見えたのでしょうね。
そして、多くの人があの手を拝み、願い事をしてきたのでしょう。
最後には朝顔たちによって、供養してもらえてほんとよかったと思います。
カワウソさん、今までごめんなさい、そしてありがとうと言いたくなる作品でした。
監察医朝顔(漫画)13巻のあらすじ
受験勉強に励む小学生・愁太は、旅行へ行く両親を快く送り出して、激しい腹痛を我慢しながら独りで留守番をすることに。一方、山田朝顔(やまだ・あさがお)とその父・万平(まんぺい)は、妻を亡くした刑事・桑原(くわばら)を元気づけようと酒盛りを始める。そんな時、急死した愁太の解剖依頼が入った朝顔は、桑原とともに大学へ行くと、息子の死は自分のせいだと思いこんだ父親が姿を消してしまい……!?
(引用:Amazon)
まとめ
いかがでしたか。
13巻はオカルトチックな話があったり、戦争の話があったり、普通の事件とは違うケースの多い巻だったと思います。
事件系でも、殺意の証明しにくい事件で、梶間さんが頑張っていておもしろかったです。
朝顔、万平だけでなく、ほかのサブキャラが目立つケースが、これからもたびたび描かれます。
次巻も楽しみです。