『監察医朝顔(漫画)』第1巻のネタバレ・感想・あらすじをまとめてみました♪
『監察医朝顔』第1巻は2006年4月28日に発売されました。
監察医朝顔は、父が刑事である監察医山田朝顔が、事件性のあるかもと思われる遺体の解剖をし、その死因などを解明するお話です。
モノ言わぬ死者の最後の言葉を聞き、死因を特定し、どのような最期だったのかを突き止めようと奮闘する朝顔先生の活躍が面白い作品です。
大体、1,2話で一つのケースが終わります。
一体どんな事件がおき、どんな結末を迎えるのか、いつもドキドキしながら読んでいます。
では詳細を見ていきましょう!
監察医朝顔(漫画)1巻のネタバレ
1巻は第1話から第話まで掲載されています。
では、2話ごとにネタバレしていきたいと思います
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第1話 朝顔先生、事件です!!
第2話 一番好きな言葉
山田朝顔は東京都の法医学教室所属する30過ぎの美しい女性の監察医です。
監察医とは事件の可能性のある遺体を解剖し(司法解剖という)、その死因などを特定するお仕事です。
まだ独身で実家に住んでますが、母は亡くなっており、刑事である父万平と2人暮らしです。
川で女性の死体が見つかり、万平は朝顔に司法解剖を依頼します。
一見、川でおぼれ死んだように見える女性。
自殺か他殺その両方で捜査されます。
解剖には、刑事が立ち会ったりもします。
万平や検視官(現場で死体を五感で確認する人、横山秀夫「臨場」の倉石みたいな)伊藤も立ち合います。
伊藤は朝顔が好きで検視官になったようです。
解剖の結果、彼女は溺死だとわかり、また飲んだ水は川の水であったことから、死んだのは川であると断定されました。
ただ、一つのひっかかりとすれば、彼女が発砲ウレタンの小さな塊、プールのビート版のようなものを飲んでいたことです。
彼女の身元も判明し、幼稚園児の子ども健介くんと、彼女の恋人が遺体と対面します。
彼女の恋人は怪しいのですが、彼女が死んだとき、彼が川まで行く時間はなかったので白と断定されます。
結局どこから飛び降りたのか。
朝顔は、川の流れからあたりをつけて、飛込み現場を発見します。
しかし、こんな上から飛び込んだにしては遺体が損傷していないからおかしいと、逆に自殺説は否定されます。
朝顔は、川の水を持ち込んでなら、川以外の場所でも殺せるのではないかと思いつきます。
それを聞いた万平刑事らは、彼女のアパートのふろ場を捜索し、そこで発砲ウレタン製のおもちゃを発見します。
それはひらがなのパズルです。
そのパズルの「お」の一部がありませんでした。
それこそ、彼女がのみこんだ謎の物体だったのです。
そして、彼女の恋人が逮捕されました。
彼はもともとその方法で子どもを殺そうと思っていたのですが(子供にかけらえていた保険金目当て)、準備中に彼女に見つかり殺してしまったのです。
すべてが解決した後、健介くんとあのおもちゃを使って遊ぶ朝顔。
子どもが一番好きな言葉をパズルで作ります。
その言葉は「お か あ さ ん」
朝顔は私もその言葉が一番好きと涙を流すのでした。
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第3話 朝顔のトラウマ
第4話 合掌
ある朝、小さな地震が起き、朝顔は体を震わせます。
朝顔の母は神戸の地震で亡くなっており、朝顔は地震が怖いのです。
今回の遺体は、合掌して無くなっていたホームレスの男性です。
解剖の結果、死因は心不全で、事件性はなさそうとの判断でした。
では、なぜ合掌していたのか、朝顔らは疑問に思います。
刑事たちは彼の持っていた写真や周りの証言から彼の身元を調べます。
そして、娘さんを見つけ、遺体を対面させますが、彼女は遺体が父であることを否定し、遺体引き取りを拒否しました。
朝顔は彼女と話し、なんとか遺体を引き取っていただこうと神戸の震災で亡くなった自分の母の話をします。
結局その場では彼女を納得させられず、女性は帰ってしまいました。
朝顔は、亡くなった男性のため、また娘さんのためにも父の死を見届けることが大事だと、万平に直談判し、彼女の住所を教えてもらいます。
そして、彼女と話をします。
なぜ、男性が合掌していたのか。
それは、彼が死ぬ間際何かを祈ったからではないか。
それはきっと娘さん、あなたの幸せだと朝顔は話します。
その話を聞き、女性は、そうかもしれないと言います。
実はホームレスの男性は死ぬ数日前、娘の家の前に来ていて、そのときも手を合わせていたのです。
最後まで、自分のために祈ってくれていた父を思い、女性は遺体の引き取りに応じてくれました。
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第5話 生き地獄
第6話 同じ屋根の下
アパートの部屋の壁一面に自分の血で生き地獄と書いて手首を切って自殺していた女性が見つかり、朝顔は現場で自殺で間違いなく解剖の必要なしと判断します。
どうやら、職場でいじめに逢っていたようです。
朝顔は彼女の着ていたTシャツが男ものであることに気づき、そのことを質問します。
そのTシャツの模様を見て、万平は、彼女の死体を発見した隣の部屋の男からもらった名刺のマーク(彼が務めている会社のマーク)と同じと気が付きます。
彼によると、たしかにそのTシャツは彼があげたもののようです。
時々、夕飯などのおすそ分けを受けていて、そのときにお返しに挙げたそうです。
でもそれくらいの付き合いしかないと男性は言います。
確かに年齢も違うし、恋愛関係とかではなさそうです。
彼に電話がかかってきます。なにから、会社を首になったようです。
朝顔は彼のことが気にかかり、刑事が帰った後に彼の部屋に戻り話をします。
なんで、彼が彼女の死体を発見したのか、それは彼が彼女の部屋に相談に行ったからではないかと朝顔はいいます。
その通りでした。
彼はおすそ分けを持ってくる彼女にちょっと困ってはいたのですが、ある日気がついたのです。
あの人は自分と同じだと。
あの人も恋人がいなくて、あの人も仕事で嫌な思いをしていて、あの人なら自分の辛い気持ちもわかるかもと思い、首になりそうと相談に行ったら、彼女が死んでいたのです。
朝顔は、彼女が来ていたTシャツがあまり汚れていないことに注目し、これは死ぬ直前にわざわざ着替えたものだと推理します。
隣人がきまぐれにあげたTシャツが彼女にとってはとても大事なものであり、死装束に選んだのです。
彼は彼女からもらっていたクッキーを弔いに食べました。
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第7話 クラッシュシンドローム
第8話 一番星
車の事故で女性が死にました。
山道で岩にぶつかり、足を挟まれていた女性。
助手席の男は彼女を車から出してあげ、助けを呼びにいったのですが、戻ってくると死んでいたのです。
死因はクラッシュシンドロームでした。
圧迫され壊れた組織に溜まった毒素が圧迫を解いたことで血管を通り全身に周り死に至るというものです。
朝顔の母もクラッシュシンドロームで亡くなっています。
万平は、そのため解剖に立ち会えませんでした。
車を運転していた男は現場で検視官らのその言葉を聞いてしまい、気にして、法医学教室に話を聞きに来ます。
彼は亡くなった女性と知り合いというわけではなく、山道でバイクが故障して困っていたら、女性が車に乗せてくれたというのです。
恩人なのに自分がしたことで女性は亡くなったのではと男性は落ち込みますが、朝顔は圧迫を解いたら必ずクラッシュシンドロームが起こるとはいえないとなぐさめます。
そこに、女性の同僚から話を聞いた刑事がやってきます。
亡くなった女性は救命チームにいた看護師だからクラッシュシンドロームのことを知らないわけないと言うのです。
朝顔はもう一度彼女を調べなおします。
すると、彼女の怪我の状態から彼女が事故直前左にハンドルを切ったことがわかります。
事故現場は左が崖なのにです。
同僚に話を聞くと、死んだ女性はある人の愛人だったのですがこの頃捨てられたそうです。
また同乗者の男性もたしかに彼女が事故直前までなにやら思い詰めた様子だったことなどがわかります。
それに男性が女性を車から引き抜こうとしたとき、一瞬、女性が止めて、それからちょっと考えた後、引き抜いてくれと言ったそうです。
そう、彼女は男を道連れに自殺しようとわざと事故をおこしていたのです。
結局即死はしなかったけど、自分が他人を道ずれにしようとしたことを恥じて、自分を罰しようと死を選んだのでした。
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第9話 最後のメッセージ
第10話 公園居酒屋
伊藤検視官は、前の事件で朝顔にクラッシュシンドロームの事件を担当させてしまったことを申し訳なく思い、彼女に団子を差し入れます。
朝顔は伊藤さんと、朝顔の母が亡くなった時の様子を話します。
あの大震災の日、母は神戸の友達のところにいました。
朝顔は怪我をした母を見舞いに行きます。
母の見舞いも早々に済ませ、当時医学生だった朝顔はボランティアに走ります。
被災地では医師の数が足りてなかったのです。
母は容態も安定しているしと朝顔は思っていたのですが、その矢先に母はクラッシュシンドロームで死んでしまったのです。
その話を聞き、伊藤は落ち込みますが、朝顔はそのおかげで茶子先生に知り合えたと言います。
茶子先生は朝顔の恩師で、彼女が監察医になるきっかけを与えた人です。
今は外国の被災地を飛び回っていて、法医学教室はほったらかしです。
そのとき電話がかかってきて、朝顔は茶子先生の帰国を知らされます。
空港で朝顔は茶子先生と再会します。
茶子先生は、飛行機で知り合ったインド人の男性と一緒でした。
彼に日本の踊りを見せると約束したのだと、茶子先生は朝顔に盆踊りを踊るように命令します。
朝顔は空港という公衆の面前でなんちゃって盆踊りを踊らされます。
茶子先生、なかなかおお茶目な先生です。
朝顔は茶子先生と初めて出会った時のことを思い出しました。
朝顔が母の死で落ち込んでいたとき、被災地で亡くなられた方の検死のために呼ばれた茶子先生と出会います。
彼女は朝顔に大切な人が亡くなったのですねと声をかけ、その人のことを考え落ち込むか、亡くなった人を思い仕事などに励むか、どっちかの方法がありますよと言ってくれました。
あなたの大切な人はあなたにどうして欲しいと思っていますかと茶子先生に言われた朝顔は、母は私に医師として手伝えと言っていると思い、茶子先生に検死の手伝いを申し出ます。
それから11年、朝顔は茶子先生に学び、監察医になったのです。
その後、朝顔と茶子先生は、朝顔の家に行き、万平、伊藤検視官を加えて鍋で歓迎パーティーをします。
伊藤検視官は、茶子先生のコートのポケットに遺書が入っていることに気がつき動揺しますが、茶子先生はいつ死んでもいいようにいつでも遺書を持ち歩いているだけでした。
次の日、茶子先生は大学で自身が回ってきた被災地についての講義をします。
法医学教室の朝顔の生徒である高橋くん(ちょっとチャラい感じのメガネ男子)は、なんで外国の被災地を回るんだ、日本じゃダメなのかと嫌味を言います。
その日の夜、朝顔と茶子先生は飲みに行きます。
居酒屋などではなく、公園での飲み会です。
今日は満月。
日本では満月と言えば、月見で喜ばれますが、紛争地帯では満月の夜は狙撃される可能性が高くなるのです。
茶子先生から紛争地帯の人がそう呟いていたと聞き、ハッとなる朝顔。
茶子先生が外国に行くのは自らを厳しく追い込むためだったのかもしれません。
監察医朝顔(漫画)1巻の感想
とても面白かったです。
司法解剖でほんとにいろんなことがわかるんだなと思いましたし、医療もの、刑事ものの両方を楽しめる漫画だと思いました。
また、死因を解明することは事件解決のためだけでなく、その人の死を受け入れるためにも必要なことだなと思い知らされました。
ともすれば、自殺だと断定されてしまい、死者の無念を晴らせないまま終わるかもしれなかった事件でも、朝顔先生の長年の勘と粘り強い調査によって、事実が明らかになってました。
朝顔先生は優秀なだけでなく、人への思いが強い人なのでしょう。
だから、死者のため、遺族のために粘れるのだと思います。
また、今回のケースの皆さん、それぞれいろいろ抱えており、その人生を思い、胸がキュンとしました。
最初の話は、事件自体はよくある話でしたが、母親が飲み込んでいたのが子どものおもちゃで、そのことで無念を晴らすことができたというのがなんだか奇跡のようでしたし、この残された子どもがいい子で泣けてしまいます。
朝顔先生が母を亡くしているということもあり、親と子の話が続いた巻だったなという感じです。
私も人の子だし、やっぱり親子関係の話は泣いてしまいます。
朝顔先生以外のレギュラーメンバーも、出番こそ少ないけど、性格や朝顔先生への思いがきちんと読み取れて、感情描写がうまい作者さんだなと思いました。
1巻ではそれほど出てこないけど、部下の高橋くんもなかなかおもしろい人物のような気がします。
また、1巻の終わりには、新たなメンバーとして茶子先生も登場します。
見た目からして個性的ですし、遺書を持ち歩いているとかなかなかの人物です。
あの朝顔先生の師匠なので、ものすごく優秀な人なのでしょう。
今後の活躍に期待です。
監察医朝顔(漫画)1巻あらすじ
検死とは、一般病死以外の異状死体を検査し、病気、事故、あるいは殺人によるものかの死因を明らかにする重要な作業であり、その際、死体と向き合う法医学者のことを監察医という。しかし、日本における「監察医制度」の普及は東京23区、横浜市、名古屋市、大阪市、神戸市の5都市で、それ以外の市町村では、警察医や警察から依頼を受けた一般の医師により検死が行われているのが現状である……誰もが迎える死の瞬間(とき)。突然死、孤独死、保険金殺人など、その最期のメッセージに込められた真実に、女性監察医・山田朝顔が挑む!!“死”の真実を探るために……感動の法医学ミステリー!!
(引用:Amazon)
まとめ
いかがでしたか。
監察医朝顔1巻では、物語の始まりらしく、朝顔先生の過去が明らかにされたり、今後レギュラー化する先生が登場したり、検視官が朝顔先生に惚れているらしいことが示唆されたり、朝顔先生の周りのことがたくさんわかる巻でした。
起きた事件も、事件自体はとても悲しいものでしたが、人と人とのつながりのわかるものが多く、とても感動的でした。
特に、自殺の話は、たいしたつながりもないけれど、隣の人も私と同じかもしれないと思うことが心の支えになったりするんだなといろいろ考えさせられました。
監察医朝顔第2巻も楽しみです。