映画『マイインターン』は、温かく前向きなストーリーが魅力の一方で「気持ち悪い」「違和感がある」といった声が一部で見られる作品です。なぜ評価が分かれるのでしょうか。
本記事では、そう感じられる理由を整理しつつ、それでも多くの人に愛される名言や見どころをあわせて紹介します。これから鑑賞する人も、すでに観た人も、作品を違った視点で楽しめる内容をお届けします。
『マイインターン』が気持ち悪い？
映画『マイインターン』は、アン・ハサウェイ演じる若き女性CEOジュールズと、ロバート・デ・ニーロ演じる70歳のシニア・インターン・ベンが出会い、交流を深めていくヒューマンドラマです。
一見すると心温まる物語ですが『マイインターン』が「気持ち悪い」と受け取られてしまう理由について、どんな背景があるのかを詳しく見ていきます。
理想化されすぎた人間関係への違和感
「気持ち悪い」と言われる理由の一つは、登場人物同士の関係性の理想化にありそうです。
特に、ベンとジュールズの空気感はかなり穏やかで、衝突や誤解がほとんどありません。上司と部下という立場でありながら、常に理解し合える関係に「現実ではあり得ない」と違和感を覚える人もいます。
完璧なベンのキャラクター
ロバート・デ・ニーロ演じるベンは、礼儀正しく気配りができ、仕事でも私生活でも常に冷静で紳士的な理想の人物です。しかし、その完璧さゆえに「人間味が感じられない」「現実には存在しなさそう」と違和感を覚える人もいます。
ハンカチをさっと差し出したり、散らかった職場を黙って整えたりする行動も、あまりに出来すぎていて作られた人格のように映ることがあります。この「隙のなさ」が、好意的に受け取られる一方で、気持ち悪いと感じられる理由の一つになっているようです。
ポジティブすぎる物語展開
本作では、明確な悪役や大きな対立構造がほとんど描かれず、トラブルも比較的スムーズに解決していきます。そのため、映画としての緊張感や起伏が少なく、「ご都合主義では？」と感じる人も少なくありません。
現実の職場や人間関係では避けられない衝突があまり描かれない点に、きれいごとが続きすぎて不自然だと感じる声もあります。感動的で前向きなシーンが多い分、逆に「やりすぎ」「作為的」と受け取られてしまうこともあるようです。
『マイインターン』名言まとめ
ここからは『マイインターン』の心に響く名言についてまとめました。
年齢に縛られない生き方を教えてくれる言葉
「音楽家は自分の中に音楽がなくなったときに引退する。私の中にはまだ音楽がある」は、ベンがインターンに応募する際の印象的なセリフです。
ここでの「音楽」は、生きる情熱や挑戦する気持ちの象徴。年齢を理由に可能性を狭めがちな私たちに、「やりたいと思う限り、人生は続いている」と優しく背中を押してくれます。何歳からでも再スタートできるという希望を感じさせる名言です。
迷った人の背中を押す言葉
「正しい行いは迷わずやれ」という言葉は、決断に悩むジュールズを支える場面で登場します。
周囲の目や損得を考えて立ち止まってしまうときでも、自分が正しいと思う道を選ぶ勇気の大切さを伝える一言です。シンプルながら力強く、仕事だけでなく人生全体に通じる普遍的な教えとして心に残ります。迷った瞬間に思い出したい言葉ですね。
紳士的な生き方を象徴する一言
「ハンカチは貸すためにある」は、ベンの人柄を象徴する名言です。
困っている人をさりげなく気遣う姿勢や、他人のために準備を怠らない生き方がこの短い言葉に凝縮されています。小さな思いやりの積み重ねが人間関係を豊かにすることを教えてくれるセリフであり、私たちの日常でも自然と真似したくなる考え方ですよね。
現代人に刺さるコミュニケーションの教え
「本当に大切なことは、メールでなく直接伝える」という言葉は、デジタル中心の現代だからこそ心に強く響きます。
効率を重視するあまり失われがちな「直接伝える温度」の大切さを、改めて気づかせてくれる名言です。人と人との信頼関係は、画面越しや文字だけではなく、顔を合わせて交わす言葉から育つのだと感じさせてくれます。
行動する勇気をくれる言葉
「行動あるのみ」や「アイデアではなく、その人を追い求めなさい」といったセリフは、仕事や人生に前向きな姿勢を与えてくれます。
考えるだけで立ち止まらず、完璧でなくてもまず一歩踏み出すことの重要性が伝わる言葉です。また、成功の本質はアイデアよりも「人との信頼関係」にあるという考え方は、多くの社会人の心に強く刺さります。
『マイインターン』見どころまとめ
続いては『マイインターン』の魅力がつまった見どころを紹介していきます。
世代を超えた友情と成長
70歳のベンと若きCEOジュールズが、年齢や立場の違いを越えて信頼関係を築いていく過程は、本作最大の見どころです。
人生経験豊かなベンの穏やかな助言や行動が、仕事に追われるジュールズの価値観を少しずつ変えていきます。一方的に教える関係ではなく、互いを尊重し合う姿が描かれており、世代を超えた理想的なパートナーシップを感じさせます。
仕事とプライベートの両立に共感
仕事に情熱を注ぐ一方で、家庭や夫との関係に悩むジュールズの姿は、多くの働く女性や社会人の共感を集めます。CEOとしての責任の重さや、周囲に弱音を吐けない孤独感がリアルに描かれている点も印象的です。
「頑張りすぎてしまう人」ほど心に響く作品です。仕事を優先することへの迷いや葛藤が丁寧に表現されていて、成功の裏にある不安が物語に深みと現実味を与えています。
おしゃれで洗練された世界観
ジュールズの洗練されたファッションや、ベンのクラシックなスーツスタイル、開放感のあるオフィス空間など、映画全体のビジュアルも大きな魅力です。
働く女性の憧れを詰め込んだような世界観は、眺めているだけでも楽しく、ポジティブで前向きな物語の雰囲気をより一層引き立てています。細部までこだわられたインテリアや小物にも注目です。
まとめ
『マイインターン』は気持ち悪いと感じる声があるのは事実ですが、その多くは物語の理想化や登場人物の完璧さに対する違和感から来ているようです。
一方で、年齢や立場を超えた人間関係や仕事と人生に向き合う姿勢、心に残る名言の数々は、多くの人の共感と感動を呼んできました。評価が分かれる作品だからこそ、自分自身の感じ方で楽しんでほしい映画と言えるでしょう。
