Mrs. GREEN APPLEの「ライラック」が主題歌のアニメが放送スタートしたのは2024年春。透明感のあるメロディーが作品の世界観に溶け込み、放送直後から大きな注目を集めました。
しかし、一方で「似ている楽曲があるのでは?」といった声もあり、パクリ疑惑に発展しました。今回は「ライラック」が何のアニメ主題歌なのかと、パクリ疑惑の真相について詳しく調査していきます。
「ライラック」が主題歌のアニメは?
「ライラック」が主題歌として起用されたのは、2024年4月から放送されたアニメ『忘却バッテリー』です。この曲はオープニングテーマとして制作され、アニメの世界観を彩る重要な役割を担っています。
爽やかで疾走感のあるメロディーと、過去を乗り越えて前に進もうとする力強い歌詞が、作品のテーマと見事にリンク。「歌とアニメの相性が抜群!」とファンの間で話題を集め、作品の印象を強く残す一曲となりました。
さらに第66回日本レコード大賞で「ライラック」は大賞を受賞し、多くの音楽ファンの記憶に刻まれました。
アニメ『忘却バッテリー』とはどんな作品?
忘却バッテリーは、青春や友情を描いたスポーツアニメで、原作は「少年ジャンプ+」で連載されている人気漫画です。
物語は、過去に天才バッテリーとして注目を浴びていた二人の高校生を中心に展開。ひとりは記憶を失い、もうひとりはかつての輝きを取り戻そうとする、ふたりの葛藤と成長を描くストーリーです。
透明感のある作画と緻密な心理描写が特徴で、野球というスポーツを通して「仲間との絆」や「夢に向かう姿」が丁寧に描かれています。そこに「ライラック」が加わることで、よりエモーショナルで心に残る作品へと昇華しているのです。
楽曲「ライラック」に込められた意味
「ライラック」は、Mrs. GREEN APPLEの大森元貴が持つ「不完全さを愛する哲学」を象徴する楽曲とも言われています。
タイトルにある花のライラックは、「青春の思い出」や「新しい愛」といった花言葉を持ち、まさに作品のテーマと重なる存在です。過去を抱えながらも新たな一歩を踏み出す、その姿を音楽で表現し聴く人に希望を届ける一曲となっています。
『忘却バッテリー』とのリンク
「ライラック」の歌詞やメロディーは、青春の眩しさだけでなく、思い出したくない経験も含めた「疎ましい青春」の感情が描かれています。そのテーマは、記憶喪失の主人公が野球を通じて成長する姿や、仲間との絆と自然に重なっているのです。
歌詞の「過ぎてゆく今日」「一回だけのチャンスを見送らない」といったフレーズが、努力や挫折を経験する登場人物たちへのエールとなっています。さらに「雨の後に緑が育つ」という言葉が重なることで作品の世界観をより感動的に彩っているのです。
「ライラック」パクリ疑惑とは?
「ライラック」は忘却バッテリーの主題歌として人気を集めましたが、その一方で「パクリ疑惑」が浮上しています。SNSでは「どこかで聴いたことがある」「既存の曲に似ている」との声が広がり、特に2つの楽曲との類似が指摘されているのです。
その楽曲とは、20年ほど前のフリーゲーム「ゆめにっき」のBGM。もうひとつは、NHK教育テレビの番組『シャキーン!』で放送された「みずのたび」です。これらと似ていることが議論を呼び、今も波紋を広げているようです。
「ゆめにっき」BGMとの類似点
「ゆめにっき」は2004年に公開されたフリーゲームで、夢の世界を歩き回るだけという独特な内容が話題となり、今も熱狂的なファンを持つ作品です。その中の「笛の部屋」のBGMが「ライラック」と似ていると言われています。
特に歌詞の「青に似たすっぱい 春とライラック 君を待つよ ここでね」の部分と酷似しているとの指摘があります。YouTubeに比較動画も出回り、「思ったよりライラック」「似てるけど似てない」といった声が見られました。
「みずのたび」と似ている部分
もう一つ似ていると言われているのが、NHK教育テレビの番組『シャキーン!』で使われていた楽曲「みずのたび」です。2008年に登場したこの楽曲は、どこか懐かしさを感じさせるメロディーで子どもから大人まで人気を集めました。
指摘されているのはこの曲の冒頭部分で、やはり「青に似たすっぱい 春とライラック」のメロディーにそっくりだと言われているのです。ネット上でも「懐かしい!」という声と同時に「これは似すぎでは?」という議論が巻き起こりました。
偶然の一致かも
では、「ライラック」は本当にパクリなのでしょうか?
音楽は音程やリズム、コード進行、メロディーといった要素で成り立っています。しかし、これらの組み合わせは無限ではなく、似たフレーズが偶然生まれることも珍しくありません。
実際「ゆめにっき」と「みずのたび」そして「ライラック」に共通して似ているのはメロディーのごく一部分のみです。全体を通して聴いてみると、アレンジや曲の展開、楽曲の雰囲気はそれぞれ異なっており、単純に模倣と断定するのは難しいと考えられます。
「ライラック」パクリ疑惑の真相は?
過去にも、あいみょんの「マリーゴールド」があるゲームのBGMに似ていると話題になったことがあります。このように「聴いたことがある気がする」と感じる楽曲は多く、その多くは偶然の一致やリスナーの記憶の重なりによるものです。
「ライラック」も同様に、一部のフレーズが既存曲に近いことは事実です。しかし、作品全体を見れば独自性やMrs. GREEN APPLEらしさが強く表れています。
アニメ『忘却バッテリー』のテーマと寄り添い、ファンの心に響く一曲に仕上がっている点に、この楽曲の価値があると言えるでしょう。
まとめ
ライラックを主題歌とするアニメは、2024年春に放送された『忘却バッテリー』です。爽やかで軽やかなメロディーと、過去を乗り越えて前に進もうとする力強い歌詞が、作品に溶け込み、多くの注目を集めました。
一部では過去の楽曲と似ていると指摘され、パクリ疑惑も浮上しました。しかし、全体を通して聴くと独自性が際立ち、アニメの世界観を彩る一曲として、多くの人の心に刻まれているようです。