『正体』とは、2020年に小説家の染井為人さんが手掛けたサスペンス小説を原作とするコンテンツです。原作の大ヒットを受けて2022年にWOWOWにてドラマ化されると、2024年には映画化もされるなどの爆発的な人気を誇りました。
そんな『正体』ですが、2022年にWOWOWで放送されたドラマ版と原作とでは違いがあるのでしょうか。また、物語が実話を基に制作されたという噂の真偽も気になりますよね。本記事では『正体』のドラマと原作の違いや実話の噂、衝撃的な結末などを深掘りしてお伝えします。
ドラマ『正体』について
最初に、本記事で紹介するドラマ版『正体』の作品情報をお伝えします。ドラマ版『正体』の基本情報は下記のとおりです。
- 原作:染井為人
- 脚本:前川洋一
- 監督:中田秀夫、谷口正晃
- 製作:WOWOW
- 放送開始:2022年3月12日
- 話数:全4話
WOWOWで放送された『正体』では、主演を亀梨和也さんが演じました。その他のキャストとしては黒木瞳さんや市原隼人さん、貫地谷しほりさんなども出演しており、非常に豪華なキャスト陣でも話題になりましたね。また、ドラマ版『正体』への世間の評価は非常に高く、後にMIPCOM BUYERS’ AWARD for Japanese Drama 2022にてグランプリを受賞しています。
『正体』のドラマと原作の違いは?
では、『正体』のドラマと原作とでは違いはあるのでしょうか。結論から言うと『正体』のドラマと原作とでは、大筋のストーリーに違いはないものの随所で相違点があります。まず主人公であり逃亡を図る鏑木の年齢が原作では18〜20歳の設定ですが、ドラマ版では30代に、また原作では事件で3人が殺害されているもののドラマ版では2人に、犯人である鏑木の身体的特徴などにも相違点が加えられています。
上記に加えて後述するドラマの結末も原作とは大きく異なっており、この点が『正体』のドラマと原作の最大の違いといえるのではないでしょうか。
『正体』は実話がモデルとなった?
小説から派生してドラマや映画化もされた『正体』ですが、実は実際に起こった事件がモデルになったという噂は本当なのでしょうか。この噂の真偽ですが、実話を基に制作された物語ではないものの作者である染井為人さんは実際に起こった事件からインスパイアを受けたことを明言しています。
『正体』のモデルとなったのは、2018年に強盗致死の疑いで逮捕された容疑者が脱走し日本中を旅するサイクリストを装って逃亡したというニュースでした。この事件から『正体』を思いつき、執筆されたようです。
物語の衝撃的な結末について
最後に、『正体』のドラマと原作の最大の違いであり衝撃的だった結末について紹介します。
原作では最終的に鏑木は警察に射殺されてしまいますが、その直後の真犯人が特定されて無罪であったことが証明されます。報われない残酷な結末である一方、ドラマ版では射殺されることなく最終的に自身の無罪が証明されて報われる形で物語は幕引きとなるのです。
大まかなストーリーに違いはないものの、『正体』のドラマと原作のラストは全く違いがあり、原作ファンからは「報われてよかった」という声も多く上がっていました。結末が全く異なる作品なだけに、ドラマと原作を見比べてみるのも面白い楽しみ方なのかもしれませんね。
まとめ
以上、本記事では『正体』のドラマと原作の違いや作品の基となった事件、そして衝撃的な結末などを深掘りして紹介しましたがいかがでしたか。原作の結末には賛否両論あった『正体』ですが、その反面ドラマではある意味読者の多くが望んでいたような結末に終わったこともあり評価は非常に高い作品として知られています。
原作の小説、ドラマ、そして映画と一つの作品で3つの楽しみ方ができるコンテンツでもあるのでそれぞれ見比べてみるのも面白いかもしれませんね。