『君たちはどう生きるか』は、美しい映像や深いテーマが話題になった一方で、「あのシーンちょっと…」「お父さんが無理かも」といった声も聞かれる作品です。ジブリらしい不思議な世界観の中に、思わずモヤッとしてしまう場面があるのも確か。
この記事では、『君たちはどう生きるか』の気まずいと感じられがちなシーンや父親の描写について、掘り下げていきます。
『君たちはどう生きるか』の気まずいシーンって?
映画『君たちはどう生きるか』は、『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』で知られる宮崎駿監督が、『風立ちぬ』以来およそ10年ぶりに手がけた注目作。タイトルは吉野源三郎の同名著作に由来し、宮崎監督自身が原作・脚本も担当しています。
久々の新作ということもあり大きな話題を集めましたが、一方で「ちょっと気まずいと感じるシーンがある」という声もちらほら。
ここでは、そんな感想が出ている場面について詳しく見ていきたいと思います。
父親と夏子の関係を感じさせる描写
眞人の父と、亡き母の妹・夏子の関係性をにおわせる場面があります。キスシーンははっきり映像として描かれるわけではなく、音で表現されているのが特徴です。
そのため直接的ではないものの、大人同士の親密さを想像させる演出になっており、観る人によっては戸惑いを覚えることも。特に子どもと一緒に鑑賞している場合は、少し気まずさを感じるという声が出るのも自然かもしれませんね。
やけにリアルな描写の数々
眞人が眠る場面で聞こえる寝息がやけにリアルだったり、血がにじむ描写や魚をさばくシーンがあったりと、これまでのジブリ作品と比べて生々しさを感じる場面がいくつか登場します。
さらにインコが人間を襲うようなショッキングな描写もあり、ファンタジーの世界観の中に急に差し込まれる現実的な表現が、観る人の心をざわつかせる要因になっているようです。
見た目がゾワッとする生き物たち
作中には不思議な生き物が多数登場しますが、その中には小さな存在が集まって一つの形を作っているような、集合体的な描写もあります。動きや質感も独特で、かわいらしいというよりは「ちょっと怖い」「気持ち悪い」と感じる人がいるのも無理はありません。
幻想的でありながらどこか不気味さを帯びたデザインが、強く印象に残るポイントのひとつのようです。
親子で観るなら少し心の準備を
こうした描写があるため、小さな子どもと一緒に観る場合は、あらかじめ雰囲気を知っておくと安心かもしれませんね。
ただし、物語の中心にあるのは、母を亡くした眞人が喪失と向き合いながら成長していく心の旅です。戸惑いを覚える場面も含めて、「人はどう生きていくのか」を静かに問いかける、奥行きのある作品のように感じます。
『君たちはどう生きるか』お父さんが気持ち悪い?
映画を観た人の感想の中には、「眞人のお父さんがちょっと無理だった…」という声も見られます。眞人の父・勝一は物語の中心人物ではないものの、その言動や立場が強く印象に残るキャラクター。
なぜそう感じられてしまうのか、背景を含めて整理してみると、見え方が少し変わってくるかもしれませんね。
再婚の早さに感じる違和感
勝一は妻を亡くしたあと、比較的早い時期に再婚しています。そのスピード感に対して、「気持ちの整理はついていたの?」「早すぎない?」とモヤっとする人も少なくないようです。
しかも新しい家庭は、まだ眞人の心の傷が癒えていないタイミングで始まるため、観客も主人公と同じ目線で戸惑いを感じやすい構図になっています。
義理の妹との再婚という設定
再婚相手が亡き妻の妹・夏子であることも、現代の感覚では強い違和感につながりやすいポイントです。「もともと関係があったのでは」と想像してしまう人もおり、それが嫌悪感に変わるケースもあります。
眞人にとっては叔母だった人を「母」として受け入れなければならない状況も、観ていて複雑な気持ちになる理由のひとつだと思われます。
眞人との温度差が生むモヤモヤ
母を失った眞人が深い喪失の中にいる一方で、父と夏子は比較的落ち着いた様子で新しい生活を始めています。その温度差が違和感につながることもあるようです。
とくに夏子が妊娠を伝える場面は、眞人の気持ちが置き去りにされているようにも見え、「配慮が足りない」と感じる人がいるのもよくわかります。眞人の視点で見ると、心が追いついていない状況がより強調されているように感じます。
時代背景を知ると見え方が変わる
物語の舞台は戦時中の日本。当時は結婚が「家と家のつながり」としての意味合いを強く持ち、配偶者を亡くしたあとにその兄弟姉妹と再婚することも珍しくなかったといわれています。
勝一は軍需工場を経営する立場でもあり、家を守る責任や社会的な役割も大きかったはずです。現代の価値観だけでは測れない事情があったとも考えられ、そこに時代とのギャップが生まれているようです。
単純な悪人ではない父親像
勝一は事業家としての顔を持ち、時代の流れに乗って成功している人物として描かれています。その姿が「戦争を利用している」と感じる人もいる一方、家族を守ろうとする現実的な父親像とも受け取れるように思います。
「気持ち悪い」という感想が出るのは自然ですが、それだけでは語れない複雑さを持ったキャラクターともいえそうですね。
『君たちはどう生きるか』が評価される理由
映画『君たちはどう生きるか』は「難解」「よく分からない」といった感想がある一方で、支持する声も多い作品です。あえて説明を絞った物語は、観る人に解釈の余白を委ね、それぞれの心に違う形で残ります。
さらに、息をのむ映像美と独創的な雰囲気も大きな魅力。喪失や成長をめぐる普遍的なテーマが重なり、観終わったあとも考え続けたくなる深みが、国内外で高く評価される理由のひとつになっているようです。
米津玄師YouTubeチャンネルでは、映画『君たちはどう生きるか』の世界を感じられる主題歌を、聴くことができます!
まとめ
『君たちはどう生きるか』の気まずいシーンは、父親と夏子の関係を感じさせる描写や生々しい表現、不気味な生き物の登場など、人によって戸惑いを覚える場面があることがわかりました。
また、再婚の早さや相手との関係性から、眞人の父に「気持ち悪い」と感じる声があるのも印象的。一方で、こうした違和感も含めて深いテーマを描き、善悪では割り切れない人物像や物語の余白が心に残る点が、多くの人から高く評価される理由ともいえそうですね。








