『テセウスの船』の最終回がひどいといわれる理由は?原作との違いも解説

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『テセウスの船』の最終回がひどいといわれる理由は?原作との違いも解説

テセウスの船とは、2020年の冬ドラマとしてTBS系列で放送された連続ドラマです。原作はモーニングKCで連載された人気漫画でしたが、ネット上ではドラマ版のテセウスの船の最終回がひどいといった声が散見されています。何故「テセウスの船」の最終回がひどいといわれているのでしょうか、今回の記事ではその理由について紹介します。

目次

「テセウスの船」最終回がひどいといわれる理由は?

早速今回の記事の本題に入り、テセウスの船のドラマの最終回がひどいといわれる理由についてみていきたいと思います。まず前提としてテセウスの船の全体の評価はかなり高く、現に最終回は視聴率が19.6%を記録するなど、かなり高い注目を集めていました。放送当時はテセウスの船について非常に好評なレビューがSNSでは相次いで投稿されており、実際に同時期に放送されていたドラマの中でTVerの総再生回数は「恋はつづくよどこまでも」に次ぐ2位で1018万回を記録。視聴率と併せてみても近年のドラマ作品の中では間違いなく成功した作品に分類される作品です。

では、そんなテセウスの船の最終回はなぜひどいと言われているのでしょうか。その理由を3つに絞って次から深掘りして紹介していきたいと思います。

未回収の伏線が多すぎる

まず第一に挙げられるテセウスの船の最終回がひどいといわれる理由ですが、最後の最後まで回収されずに放置されたままの伏線があまりにも多かったという点です。テセウスの船の魅力といえばなんといっても丁寧なストーリーと緻密な人間関係で、最終回までに散りばめられていた数々の伏線が最終的にどのように繋がり、完結を迎えるのかに大きな注目と期待が寄せられていました。

ただ、いざ最終回が放送されると下記の内容を中心に多くの伏線に対する具体的な説明がないまま完結を迎えてしまいました。

  • 金丸刑事が見つけた証拠
  • 翼が自殺した理由
  • 佐野家の庭で見つかった青酸カリの経緯
  • 心の運転免許証が塗りつぶされていた理由

多くの視聴者が伏線の回収を期待していただけに、最後にそれら全てを回収することができず、中途半端な形で終わってしまったことから、視聴者からはテセウスの船の最終回がひどいといった声が上がったようです。

佐野文吾の扱いがかなり雑

原作の漫画版では真犯人の共犯者として描かれていたものの、ドラマ版では主人公の父親という設定に変更されていた佐野文吾。本来テセウスの船の作中ではかなり重要なキーパーソンとして描かれてた佐野文吾ですが、ドラマ版の最終回は冒頭から犯人に仕立て上げられて逮捕されるシーンから描かれています。その後真犯人であるみきおが佐野文吾に全ての罪を被せて死刑にさせようと企んでいたことが判明したことで佐野文吾の無実が証明されますが、そのあまりにも可哀想な扱いに原作ファンからは批判が殺到。また最終回の最終版では佐野文吾に謎の無線が入るシーンが描かれていますが、その無線が誰からだったのかは明らかになりませんでした。視聴者は不安になるような描写のまま作品が終わってしまうなど、最後までスッキリとしない扱われ方をした佐野文吾。ドラマ版では主人公の父親の立ち位置に変更されていた佐野文吾だけに、もっと上手な立ち回り方があったのではないかと感じた視聴者も多かったようですね。

駆け足すぎるラスト

テセウスの船の最終回で多くの伏線回収が描かれなかったと紹介しましたが、全体的にテンポが早く駆け足気味で終わってしまったのもひどいといわれている理由の一つです。もともと原作ファンからは「ドラマで放送される全10話で全てを描くのはかなり難しいのでは?」との不安しする声はありましたが、結果としてその杞憂が現実となり最終回はかなり急ぎ足でバタバタしたまま完結を迎えることに。伏線の回収はもちろんのこと、登場人物たちの深い掘り下げもままならない状態で完結してしまったため、「もともと10話完結のドラマで実写化するべきではなかった」との厳しい声も多く寄せられていました。

最終回放送後、SNS上では批判的な声が続出

ここからは、テセウスの船の最終回がひどいという実際の視聴者の意見を紹介します。今回はX上でテセウスの船の最終回についての意見を調べていくつかピックアップしてみたのでご確認ください。

https://twitter.com/9Mi4ybIMkE00S2k/status/1241725502840160257

やはり尺の問題だったのか、全10話で収めるのは難しかったのかもしれませんね。また、犯行の動機であったり黒幕がお笑い芸人の霜降り明星の星矢さんだったことに対する疑問の声も上がっています。シリアスな作品だっただけに、最終回の黒幕としてお笑い芸人が登場したことに違和感を覚えた方も少なくなかったようです。序盤はかなり高評価で注目を集めた作品だっただけに、最後の最後でその勢いが落ちてしまったのは残念でしたよね。

「テセウスの船」ドラマと原作との違いは?

テセウスの船のドラマ版と原作の漫画版との違いを紹介したいと思います。それぞれ大筋の物語は同じであるものの、ドラマ版では随所で原作とは違う設定やストーリーなどが改変されていました。特にラストのシーンにも改変が加えられていたため、賛否両論の声も上がっています。

そこでここからは、ネタバレを含む『テセウスの船』のドラマ版と原作の漫画版との違いを2点に絞って深掘りして紹介していきます。

黒幕がドラマ版と漫画版で異なる

テセウスの船の犯人はみきおで一貫していますが、実はドラマ版と漫画版では共犯者が別の人物になっています。まずドラマ版ですが、過去に食中毒事件を起こした人物の息子になる田中正志が子供のみきおに助言をし、犯行の手助けを行います。しかし原作となる漫画版では子供時代のみきおにを手助けしていたのは大人のみきおであり、田中正志は一切関与していません。犯人はドラマ版・漫画版共にみきおとして描かれていますが、その過程は大きく異なっており、最終回で黒幕の正体が判明した時にはあっと驚かされた原作ファンも多かったのではないでしょうか。

真犯人が誰なのかを理解してから改めてドラマを見直すことで新たな新発見もあり、また違った作品の楽しみ方ができるのでオススメです。また原作未視聴の方は漫画版も読んで比較してみるのもいいかもしれませんね。

テーマの違い

王道的なタイムスリップ作品として高い評価を得た漫画版のテセウスの船は、時空を超えたミステリー作品としての魅力を全面に押し出した作品でタイムスリップが大きな鍵を握る作品でした。その一方で2020年に放送されたドラマ版は漫画版のミステリー要素を残しつつも、それ以上に家族愛に趣を置いた作品として描かれています。それだけに漫画版と比較すると登場人物たちの心理描写などにかなり重点を置いて作品が作られており、大まかな筋書きに違いはなくても「テセウスの船」という作品を通じて製作者が伝えたいテーマは大きく異なっています。

この違いには原作ファンからも賛否両論あったようですが、漫画版で描ききれなかった登場人物たちの心理描写をドラマ版が補完している側面もあり、評価は大きく割れているようです。

まとめ

今回は『テセウスの船』のドラマ版がひどいと言われる理由、原作の漫画版との違いについて紹介しましたがいかがでしたか。最終回に不満の声が多いテセウスの船ですが、全体的なクオリティは高く、評価が高い作品です。未視聴の方は是非一度視聴してはいかがでしょうか。

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